溝口雄三『〈中国思想〉再発見』
放送大学叢書010
ISBN978-4-903500-29-4 C0352
定価:1700円(本体1619円+税)
226頁
中国が成長をつづける秘密はどこにあるのか?
これまで 日本的な概念で誤読されがちだった、「天」「理」「自然」「公」という概念の歴史的な発展を追い、日本やヨーロッパと比較しつつ、中国思想の特徴を明らかにする。そこから見えてくる中国的な〈近代〉の姿。
9月5日付読売新聞に、本郷和人さんの書評が掲載されました。
みぞぐち・ゆうぞう=中国思想史研究者。東京大学名誉教授。著書に『中国前近代思想の屈折と展開』『中国の公と私』『中国の衝撃』など。
[目次]
まえがき
第一章 中国の「天」
第二章 中国の「理」
第三章 中国の自然
第四章 中国の「公」
第五章 宋学の興り
第六章 宋学の展開
第七章 陽明学の興り
第八章 陽明学の展開
第九章 十六・七世紀の転換
第十章 清代から近代へ
参考文献
ヨーロッパ的な意味での個人の自由がないことを、中国のマイナス荷とみなすことは正しくない。
むしろ「公」「大同」や「縁」のつながりの中での利他の道徳性に、中国的な個の基盤がある。
そこに改めて注意を向ける必要がある。
ヨーロッパにあるものが中国にない代わりに、
ヨーロッパにないものが中国にあるのである。(本文より)