





「思想」に『文学のミニマル・イメージ』評が掲載されました
郷原佳以著『文学のミニマル・イメージ モーリス・ブランショ論』の書評が「思想」2011年11月号に掲載されています。評者は関西学院大学の上田和彦氏。
つまりこの書物は、ブランショについての研究書であると同時に、文学と他の芸術とを接続し、現代芸術の問題を提起しようとする郷原自身の試論でもある。それゆえ読者は、書名のなかにブランショの語彙にはない「ミニマル・イメージ」という言葉が刻まれていることに戸惑ってはならぬ。この名称は、「イメージのイリア」という造語と同様に、ブランショの思考を現代芸術の問題に拡げるために選ばれたものだ。
(略)
ブランショは『終りなき対話』(一九六九年)の巻頭の註で、「なにやら芸術あるいは文学といったものが存在することで、いったい何が賭けられているのか」という問いが、「極度に切迫した、歴史的に切迫した問い」だと述べ、以前の論考を参照するように促していた。当時のブランショの関心がほぼもっぱら「芸術あるいは文学」の問いにあったことはよく知られており、とくに「オルフェウスの注視」に収斂する文学論や、「遺骸的類似」という特異な考え方によって知られるイメージ論は、後に有名になる哲学者や思想家、文芸評論家や美術批評家たちに広く影響を与え、多くの論考が書かれてきた。しかし郷原ほど綿密に、「芸術あるいは文学」の問いに専心していた頃のブランショに立ち向かった者は、ブランショ研究者のなかにすらいただろうか。
冒頭の段落より。書評全篇は「思想」本誌でお読みください。
2011年10月25日火曜日