





柏倉康夫さんのインタビュー掲載
『思い出しておくれ、幸せだった日々を 評伝ジャック・プレヴェール』を刊行した柏倉康夫さんへの著者インタビューが、「北海道新聞」2012年1月29日号に掲載されています。
―詩、映画、演劇など分野をまたぎ、プレヴェールは魅力的な足跡を残しましたが、「文化的な巨人」というイメージではないですね。
パリの下町のおじさんなんですよ。「詩人」とは言われたくなかった。「そんな雲の上の人ではないよ」と。関心があったのは、彼が生まれ育ったかいわいで生活していような庶民。そういう人たちのために詩を書き、映画を作り、芝居も書いたんですね。プレヴェールが使う言葉は、詩集のタイトルにもあるように「パロール」=話し言葉。ふだん使われているて言葉に信頼を置いた人です。
―プレヴェールの人生と交錯させながら、時代の状況や文化、芸術も縦横に描かれています。
「天井桟敷の人びと」の制作がナチス占領下だったことに象徴されるように、プレヴェールが生きたのは、今日の日本では考えられないほど、政治と文化が絡み合っていた時代。プレヴェールはその両方に、正面から向かい合い、歴史の中で歩みを進めた人です。プレヴェールを描くと、歴史もおのずと浮かんでくるのです。
―もしプレヴェールにインタビューができたら何を聞きますか。
詩集が売れに売れて入ってきたお金、何に使ったんですか?と。決して金持ちではありませんからね。やはり、友だち付き合いを含め、人生を楽しむことに使ったのでしょう。プレヴェールにとって日々の生活がとても大事で、そこからインスピレーションを得て、人びとの共感を得るような作品が生まれてきたのです。
20世紀の焦点のひとつ・パリを生きた「典型的なパリッ子」プレヴェール。そのフランス的人生を本書で追うことが出来ます。
2012年1月30日月曜日