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THINKING「O」

 

中日新聞に「個人言論誌『O』を創刊」の記事掲載

 

 6月8日の中日新聞文化面に、大澤真幸さんが『O』を刊行していることが大きく取り上げられました。記事では論壇誌の不振がいわれるなかで、あえて紙の媒体で、“個人誌”を創刊する思いを語っています。中日新聞三品信さんによる記事を一部ご紹介します。

 「今の世の中はハッピーな世の中ではない。次々に問題が起き、それは解決せず、深まっている。でもそれを考える言論や知性の力は、現実に追いついていない。」

 そのうえ、現在は読みやすさが優先され「思い切った発言ができなくなっている。」 そうした状況に抗して発言の場を自ら起こそうとしたのは、「目の前に深刻な問題が起きているのに、それに対して学問的な背景を持った深い指摘ができないのでは、学問とは何かということになる」という危機感からだった。

 現在進行形の出来事、たとえば民主党新政権も考察の対象となる。「失敗の可能性はあっても、現実の流れの中でリスクを背負って発言したい」という大澤さんの究極の願いは、読者の誰か1人でも『あれを読んだおかげで人生が変わった』と言われるような内容を発信することと語っています。

 『O』の創刊を決意した大澤さんの思いを詳しく紹介していただき、ありがとうございました。より多くの読者の方に手に取っていただき、その論考を受け取っていただければと願っています。


 あらためて各号の内容を紹介すると、創刊号ではペシャワール会の中村哲さんとの対話を通じ、アフガニスタンでの医療活動および用水路敷設という人道支援を、社会を変革するための〈連帯〉のモデルケースと捉え、広く応用するための理論を考察。

 第2号では姜尚中さんと民主党政策秘書の小木郁夫さんをゲストに迎え、政権交代が実現したことの意義を再検討。さらにこの機だからこそ試みられるべき北朝鮮政策を提言しています。これは先日の普天間問題への緊急発言ともリンクする大胆な内容です。

 最新の第3号では、先月で導入から1年がたった裁判員制度の根源的な意味、さらには〈赦す〉ということについて、弁護士の四宮啓さん、河野義行さんと対談しています。論考ではイアン・マキューアンの小説『贖罪』を分析しながら、神なき現代社会にあって、人が人を裁くことへいかなる気持ちを持つべきか考えの筋道を示します。


 現在、編集作業中の第4号では、村上春樹『1Q84』と1980年代を考察。対談ゲストには、作家で実業家の辻井喬さんをお招きしています。四半世紀の昔ではなく、現在をいまなお深く規定している時代に対峙する読み応えのある内容をお届けできる予定です。(T)

2010年6月11日金曜日

 
 
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